はてなブログを毎日書いていたら10Kg痩せました!

pero_peroのこじんてきなにっきです。毎日書きたいです。

HAGEX氏に会いたかった

半年以上も書いていないブログをまさかこんなことで書こうと思う事になろうとは。
HAGEX氏が刺されて死んでしまったらしい。
氏はつい最近少々危なげな界隈の記事を書いていたので、一瞬反社から刺客が飛んだのかとかなり動揺した。
しかし現段階での不確定な情報では、はてな界隈の某有名増田であるという見方が強いようだ。これはこれでやるせない。
ネットの向こうの気に食わない奴らを殴りに行こうという動きはそう珍しいものではなく死なない程度の事件はちょくちょく起こっている気がするのだが、今回のHAGEX氏の事件が件の増田によるものだとすると、そういった種類のものとは違っている気がする。
具体的にいうと、HAGEX氏はネットの向こうの気に食わない相手としてではなく、ネットの向こうの気に食わない連中の代表として選ばれたという印象を僕は受けた。
誰だかわからないがこの界隈の連中が気に食わないとなった時に、その界隈の中で目立って特定できる奴を狙うというのは、特定個人への怨恨とはだいぶ違う動機だと思う。
そして個人的な思想や資質を特定クラスタと結び付けて非難・揶揄することが多くなってきている昨今、この傾向は特定個人から受ける怨恨よりも深刻なリスクなのかもしれない。
もっともこれは全て件の増田が犯人だったとしての推論でしかないのだが。

 

ぼくはHAGEX氏と特に個人的な交友があったわけではない。
他のはてな界隈の人々と同じくIDとアイコンを認識したまにブコメを交し合う程度の仲である。
向こうもたぶんIDアイコンくらいは認識してくれていたのではないかと思うが今と為ればそれも確認できない。
6月に福岡でセミナーをするのは知っていて行きたいなとは思っていたのだが、なんかいろいろ活発に活動し始める雰囲気だったし、会う機会もそのうちあるだろう、という感じで忘れていたらもう会えなくなってしまった。
おそらくお互いに下種ポイントは合っていただろうし、話があったと思う。
ただただ残念だ。
みんなも会いたい人には早く会いに行きましょうね。

もう一つ、僕が以前HAGEX氏の本を読んでいて気になったことがあるのだがそれはまた別の話

 

ダンケルクがむちゃくちゃ不快だった話

ダンケルクがスゴイって言うことで見てきたんですよ。
いやほんとすごいねアレ。
すごく不快。
戦争映画としては大成功でしょう、アレだけ人の心をかき乱すのだから…。

 

で、何が不快かってことなんですが、一番は音ですね。


話ちょっと横にずれますが、リアリティのある映画と映画音楽ってちょっと相性良くないじゃないですか。
基本音楽って『観ている人』の気持を盛り上げたりするための効果があるので、リアルな状況で感情移入している最中に下手にBGMが入ってくると、ポーンといきなり観客席に戻されちゃう。
僕は軍人が銃で撃たれる系の映画が好きなのですが、音楽がリアルな戦闘中になるべく入ってこないで欲しい派です。


んで、ダンケルクはどうなのかって言うと、他のレビューでもたくさんかかれていますが、常に音楽が鳴ってる。
カチコチ言う金属的な打撃音をバックに(表に?)グリッサンド音とロングトーンで構成された、不快な不安感を煽る音楽がほぼ常に鳴ってるんです。
そしてこれが感情移入を邪魔しない素晴らしい挿入具合なんすよ。


映画『ダンケルク』 テーマ曲 - Supermarine

ね。こんな感じの音楽が常に鳴ってる。
遠くで鳴ってるパラパラ鳴る銃声的な音や、サイレンや船の軋む音に聞こえる管楽器のグリッサンド、効果音と溶け込んでむしろ臨場感があるというすごく不思議な音楽。
最初の方にものすごくこの音楽の印象的なシーンがあって、金管楽器がブゥワァーーってグリッサンドした音を飛行機の爆音が引き継いでキーーーンッて飛んで行くんですね。

こういう音楽か!こういう音楽か!ふええええええええってなりましたよ。

 

また効果音もいやーーーな感じの金属音をいやーーーな感じで使っているんです。

船が攻撃される時は、重たい金属のガコンッて音にビクンビクンするし、船底に隠れている時に銃弾が飛んでくるシーンは、カンッて音にビクンビクンさせられるし。

ドッカーンとかいう月並みな音よりも、金属が凹んだりめくれあがったりという音の方がリアルに痛い音がして嫌ですね。

 

だめ押しで、物語が陸1週間、海1日、空1時間という時間操作系クリクリ編集なのですが、これのお陰で最初から最後まで緊張感張り詰めっぱなし。

頭から終わりまでタイタニック沈没しっぱなし、ノルマンディ上陸しっぱなしですよ。

いやさ、プライベートライアンとかブラックホークダウンも大分緊張感あったけどさ、あっちはこっちも大分攻撃してるじゃん。躍動感あるじゃん。

ダンケルクは攻撃するよりもほぼほぼ追い回されてるわけで、そんな追い詰められていく緊張感みたいなのがずーっと続くわけで。
ずっと緊張感張り詰めてる最中に、例のカチコチBGMが小さい音量から少しづつ盛り上がり始めてピークでガツン!となって、一息着く間もなくまた小さい音でカチコチ鳴り始めてって感じでもうたまんないっすね。

 

そんな感じで上映時間が短いながら、ものすごく長く感じる濃密で不快な映画体験でした。

また観たいっすね。

 

で、そのあとお家で未見のインターステラー観たが、その感想はまた後日書こう。

真横で人が逮捕されていた話

 

昼間に、ちょっと自宅に戻る用事があったんですね。
マンションの前に車停めてシュッと中に入って取るもの取ってきて、ついでにポストに郵便物やらが来てたのでそれも取って。
で、車の中で郵便物をより分けながらふと横を見ると、マンションの脇の通路みたいなところに何かの検針をしにきましたみたいな格好をした男性が2人おったんです。

 

最初はふーんという感じだったのですが、良くよく考えると検針とかってだいたい一人で動き回るので、2人で来るのっておかしいですよね。
ははあ、これは検針というよりも、料金滞納しちゃってガス栓とか止めに来たのかなと思って見てると、二人とも中に入ろうとせずにソワソワしてるんです。
明らかに誰かを待ってる。
インフラの料金滞納だったらまずは元栓止めちゃえばいいし、いつ帰ってくるのかわからない住人を待つのとか相当不効率なはずで、あれれれ、これはひょっとすると借金取りじゃないでしょうか…。

 

とちょっとワクワクしながら、当然もう郵便物のよりわけは終わっていたのですが、何か大切な郵便物を読んでいるふりをしていたら、一瞬スッと二人の影が動いたかと思うと、いつの間にか二人の間に誰か別の人が座り込んでいました。
二人とも手は出しては居ませんが、座り込んだ人が逃げないように通路を塞いている感じです。
座り込んでいるのは髪が短い男性で、横目で見てもカクカク小刻みに震えているのがわかります。
「うわあああすみませんすみません」
借金取りに捕まったらそりゃあ怖いでしょう…と思いましたが、どうも様子が違います。
男の一人が腕時計をチラチラ見ていて、よく見ると手にはいつの間にか白い手袋をはめています(最初からハメていたのかもしれませんが)。
あれっ、この人たち警官じゃね?
こっそりウインドウをちょっぴり開きました。

 

「〜〜〜だね、認めるね」
何かを認めさせようとしています。
これはもう完璧に警察です、白昼の逮捕劇です、警察24時です!!!
不謹慎ながら、何が不謹慎なのかよくわかりませんが、僕の心臓は悪魔の鉄槌のように早くなっています。
座り込んでいる男の人はガクガク震えながら済みませんを繰り返すばかり。
まさか捕まるとは思っていなかったのでしょう。
しかし何をしたんだろう…と思っていると、もう一人が電話をかけ始めました。

「はい、今非常階段から降りてきたところで。合鍵を持って…云々」

えええ…なんかマンションに不法侵入したっぽい…?
かもたまたま侵入したとかだったら張り込みとかされないだろうし、ちょくちょく侵入してて、何かをやらかして、被害届が出されていたということ…?
衝撃の展開に大興奮です。
そしてダメ押しの一言…

「はい…カメラが…」
えっ、部屋にカメラ仕掛けて盗撮でもしてたの…?
カメラの単語以外が聞こえなかったので断定はできませんが、合鍵を作るということはやっぱり定期的にマンションに侵入していたということで、物取りとかじゃあなさそうです。
合鍵とか作るの簡単にできないだろうから、元カレがストーカー化したとか?
ひー。

横目でじっくり座り込んでいる彼を観察しましたが、格好は小奇麗、むしろ僕なんかよりも大分オシャレ感が。
そんな彼がボロボロに泣いて居ます。
逮捕=有罪というわけじゃないとはいいますが、多分現行犯、色々感慨深いものがあります。

 

長時間車停めているのも不自然になってきたのでカメラの下りを聞いた後発進させましたが、しばらくは今しがた見聞きしたものを整理するのに頭がおっつきませんでした。
いやぁ、逮捕現場ってああいう感じなんですね。
こわいですね。
ひー。

 

しかしこのツイート、実に嘘松っぽい。

それはさておき、これよく考えたら自分のマンションで不法侵入事件が起きていたという事実で。
ひー。

鹿児島に来たら可愛いフレンズとB級テーマパーク感がたまらない長崎鼻パーキングガーデンに行くべき

わーい、みんなフレンズなんだね、たっのしー!
流行りのネタにちょっと乗ってみましたがなんか違います。

 

さて、そんなわけで、以前から存在は知っていたものの中々行く機会がなく、ひょっとしたら一生行くことは無いのではと思っていた長崎鼻パーキングガーデンに行ってきました。
長崎鼻とは薩摩半島最南端の岬で、そこへ行く手前にある大きな駐車場に併設されて長崎鼻パーキングガーデンがあります。
以前情報誌のイベント情報を編集していた時に「チンパンジー園長と会おう!」「園内で原人(職員)を探そう!」みたいな手作り感満載のイベントを送ってきていて、正直「うわぁ…」と複雑な気持ちで載せていました。

ウェブサイトはこんな感じです。

長崎鼻パーキングガーデン 【公式サイト】


ね、手作り感が垣間見えてちょっと不安になってきますよね…。
しかし、ご覧になって分かるように写真にはめっちゃ笑顔で園内を満喫する人々が写っているので「ひょっとすると意外に楽しいのでは???」という疑念も湧いてきます。
そんな感じで怖いもの見たさもあってちょっと行ってみたいなとは思っていたのですが、山川って鹿児島市から1時間半くらいあるので、中々行く機会がありませんでした。

 

そんな思いを抱えつつ10年と言う時を超え降り立った長崎鼻パーキングガーデン。
感想を一言で言うとむっちゃ楽しかったのでみんな行くべきです!!!
それではその伝わりにくい魅力をできるだけ伝えられるように書いていきましょう!

 

魅力1:ものすごく動物と触れ合える

そもそも長崎鼻パーキングガーデンってどんな場所なの?
ということなのですが『動物と触れ合えるB級テーマパーク』だと思います。
触れ合える、に下線を引いてしまいましたが、本当に動物愛護団体の動向を気にしてしまうくらい動物との距離が近いんです!

 

例えば入っていきなりオウムが沢山のオウムの広場に通されるのですが、広角レンズのスマホのカメラでこのくらい寄れるくらい近いです。※むっちゃ威嚇されます

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しかも観てたらおねーさんが近づいてきて「腕に乗せてみませんか?」と腕に乗せてくれます。
あ、寝癖がついてる。

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ちょっとインコが嫌がってますが、どこかの子供の腕に乗っかってた時は上機嫌だったので僕の顔が嫌だったんでしょう…。

 

この日はなんとワオキツネザルとも触れ合えました。
ワオキツネザルはどんなやつかというとこんなやつです。

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ね、これも近いでしょう。
望遠レンズ要らずです。
なんと手から直に餌をやることができました。
野生味とか動物のストレスとか倫理的なことは置いておきましょう。

 

他にもポニーとか

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ニシキ蛇とかと触れ合えます。

f:id:pero_pero:20170405084654j:plain蛇かわいそう?そうかもしれません。

 

こんな感じでさまざまな動物が実際に触れることができたり、ものすごい近い距離で見ることができます。
ちなみに犬もいますが、僕が行った時はなぜか檻の中で触れ合えませんでした…。

 

魅力2:ものすごいB級感

入っていきなりのところにある広場がこれなので、初めて入る人は不安になるかもしれません。

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たしかにアロエ開聞岳なのだけれども…。
僕の個人的な「B級テーマパーク」の定義は「突っ込みどころが多い」です。
長崎鼻パーキングガーデンには、このようなツッコミどころのある物が園内の至るとことに設置されているんです!!

 

これは思い思われの丘と言って、手前の方にある丸石にマジックで願い事を書いて丘の上に置くと願いが叶うとか叶わないとか…。
ご利益があるかどうかはわかりませんが、結構多くの人が石を置いていっているので、何らかのエネルギーが働き始めているかもしれません。

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海側に行くと抜群のロケーションなのですが、唐突にトラの置物が置いてあったりします。
ゆ、ゆるい…

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地元の土木業者の方か、もしくはスタッフの人が一生懸命作った感があります。
すごい…。

 

そして唐突に森のなかに現れる「のぞくな」の文字。

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のぞくと…

 

↓ 

 

 

 

 

↓ 

 

 ↓ 

 

f:id:pero_pero:20170405091046j:imageVOW(古い)で見たやつやーーーーー!!!※予想道理ですね

いるか?これいるか???

 

こんな感じで突っ込みがいのあるオブジェクトが園内の至る所にあります。
まだまだあるのですが、ぜひ実際に行って見ていただきたい。(出オチなので全部紹介できないとも言う)

 

それから30分おきくらいに園内で動物ショーがあるのですが、

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えっと、なかなか面白いです。

 

魅力3:動物の種類が意外に多い

おそらく運営は公営でないと思うのですが、やたら沢山の種類がいます。

昔はフラミンゴを結構押してた気がします。

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ふつーにその辺にいます。

猿は色んな種類がいます。
これは名前忘れた。

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これも名前忘れた。

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なぜかナマケモノも。

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鹿

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やぎ。嬉しそう。

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魅力4:ロケーションが素晴らしい

ツッコミどころの多い写真ばかり選んでしまいましたが、実は薩摩半島最南端だけあって抜群のロケーションです。
さつま富士と言われる開聞岳が一番きれいに見られると自負するだけ合ってこのロケーション。
ちなみに山川は概ね畑だらけなので、まあどこからでも開聞岳はきれいに見ることができると思いますが。

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園内には様々な植生が見られ、ダイナミックな木々の間を歩くだけでも楽しいです。

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結論:砂蒸しとセットで是非行くべき場所!!

鹿児島の見どころといえば一つは指宿・山川の砂むし温泉。
山川の砂蒸しなら7〜8分、指宿からでも15分程度の場所ですので、薩摩半島の下の方へ観光に行く際はぜひぜひ行ってみることをおすすめします!!!!
ついでに山川のお魚センターみたいな所でお魚を食べようね。

 

あ、多分雨天に行くとすごく悲しいと思うので晴れの日が良いと思います。

ラ・ラ・ランドの感想

話題のララランドを観たので感想を書く。
以下、ネタバレをたくさん含むと思いますので未見の人は注意しよう。

 

 

主人公のワンショットから暗転しエンドロールが流れ始めた時、自分の過去を反芻し始めた自分に気がついた。
ラストのモンタージュのように、かつて出会った色々な人達との「もし」「ひょっとしたら」「あの時」がパラパラと頭のなかに湧いて出てきて、なるほどこれは面白い映画だなと思った。
大体の映画のエンドロールでは、その映画のストーリーを反芻したり、映画が終わったその先の事を夢想したりが殆どで、自身の事を振りかえることなどあまりないからだ。
おそらく同じような感覚を抱いた人も少なからず居るのではないか、だからこそこの映画はココまでヒットしたのではないかと言うのが僕の個人的な分析だ。

 

正直言うと、映画の途中までは期待はずれだった。
ストーリーはヒネリのないどストレート。
先の先まで見通せる展開は、悪い意味で全然安心して見ることができる火曜サスペンスのようで、何故これが大ヒットしたのか全然わからなかった。
評判のミュージカルシーンも最初のスペクタクルショーでワクワクしたのに、本筋に入ったらミュージカルはどんどんトーンダウンしていき、ただの恋愛ドラマになっていく。
いろいろオマージュはあるっぽいのは分かるのだけど、サウンド・オブ・ミュージックレ・ミゼラブルくらいしかミュージカルを観たことがない、予備知識ゼロの僕にはさっぱりであった。

 

だがしかし、だがしかし。
あの最後の展開、あのラストシーンで、ああなるほどと唸った。
これが見せたかったのか。
多くの大人たちが持つ「あの時、別の道を選んでいたら」というほろ苦い思い出をいきなり掻き起すために、安心して見ることができる「恋愛ドラマあるあるネタ」的な舗装道路をラストまでズルズルと敷いていたわけである。

 

ラストのセブの表情をどう見るかで、この映画の評価もまただいぶ変わってくるのかもしれない。
僕は個人的に、セブがずっとミアを想い続けていたというのには否定的だ。
離れて5年、ニュースを全く見ないわけじゃないし、おそらく結婚したことだって知ってるはずで、彼女を目にして彼が狼狽したのは不意に目の前に現れたからだろう。
最後の感傷的なピアノ、そしてなんとも言えないさみしげな表情は、ミア個人に対するものというよりも、空回りしながらも楽しく過ごしていたあの日々を追懐してのものではないだろうか。
セブもミアも自分たちの選択に後悔していないし、今の自分の生活にはキチンと満足しているはず。
それでもなお、昔の自分が追いかけて走っていた思い出の欠片が目の前に突然現れたら、あの時本当はあったのかもしれない別ルートを思い描かずにはいられない。
そして、それもほんのひと時のことで、セブもミアも次の瞬間には自分たちの日常へ戻っていく。

 

おそらく僕達も、この映画の雑多な恋愛ドラマや夢を追うストーリーで、過去の自分が追いかけていた思い出の欠片を強制的に想起させられているのだろう。
ストーリーや演出にツッコミどころが多い中、共感者続出なのはそういう仕組でつくられているからなのではないだろうか。
おそらく生活の基盤が変わった折にもう一度見るとまた感想が大きく変わる映画っぽいので、4〜5年後に見るのが楽しみである。
いや、術中にはまってしまっただけなのかもしれないが…。

 

その他気になったところ

ミア役のエマ・ストーンは可愛い。
アメリカの方ではこういう可愛い系の顔はそこまで人気ではないような気がするが、かわいい。
正直中盤まではエマの魅力だけで見ていた。


面接でミアが歌う「愚かな夢追い人に、乾杯を」はとても素敵。
冒頭の長回し以外のミュージカルシーンでは唯一グッとくるシーンだと思う(個人的感想)。

 

冒頭のミュージカルシーンは凄いけどカメラぶん回し過ぎで酔いそう。
ロングカットが多いようにみえるけど結構上手にカットして繋げてる感がある。

プラネタリウムのシーンは正直笑いそうになった。

 

以上

正月早々風邪で鼻をやられて嗅覚と美味しさについて考えることになった

あけましておめでとうございます。
今年一発目のブログですが今年は何回ブログを書くことが出来るのでしょうか…。

 

さて、正月の3日あたりから風邪をひいてしまいました。
話はいきなり脱線するのだけれども、最近風邪が消化器系から来るようになりまして。
喉や鼻が痛くなる1日前に、食道や胃の辺りに不快感が出るようになって、もう3回位同じことが続いているので、僕の風邪は消化器からのようです。
で、今回は鼻がだいぶやられまして、特に金曜日あたりは最高潮に悪くて鼻水がエンドレスで滴り続けました。
こういう時、鼻水の材料はよく追いつくものだと感心します。
そんな感じで、この週末は殆ど嗅覚のない生活を送っていました。

 

嗅覚が無いとご飯がまずくなる、って言うじゃないですか。
個人的にあれはそこまで正しくないと思いました。
嗅覚が無くなると、味の最上部を彩っている香りが無くなるわけですが、塩味、甘味、旨味、コク、まろやかさ、食感などはきちんと味わうことが出来るわけで、正直これだけだとまずくなりようがないんです。
この要素だけだと「不味い=味が無いor味がこすぎる」ということなので、味さえきちんとついていればまあ食べられる。
旨い不味いの判定を下しようがないんです。
つまり、メシマズの多くの原因は香りどうしの衝突や香りと味との衝突によって起こっているのではないかという仮設が経ちました。
もちろん塩味甘味旨味だけの世界を「美味しい」と表現できるかというとそこは疑問が出てきますが。

 

で、不思議と香りが無くなると料理ごとの味や食感の微妙な違いを味わうことが出来て、個人的にはなかなか楽しめる数日間でした。
カレーの匂いが無いバージョンも食べましたが、あれはあれでなかなか美味しかった。
ドレッシングは味の違いのあるものを比べてみたところ、味のベースはほとんど変わらないということに気が付きました。
逆に食欲をそそる要素が無いので、食べ過ぎたりついつい食べてしまうという事もなく、嗅覚抑制ダイエットと言うものを構築できそうです。

 

嗅覚が無くて困ったのは、腐ったものが判定できなそうということと、自分が発する匂いが分からないということです。
靴下が廊下に落ちていて匂いを嗅いでみましたが、履いたのか未使用なのかわかりませんでした。洗うしかありません。

 

そんな感じの年始でしたが、徐々に嗅覚も戻ってきました。
今年は食べすぎずに10kg痩せたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。

『監督失格』がすごかった

ごく軽い気持ちで『監督失格』を観た。

あらすじはだいたい知っていて、そもそもドキュメントだし、ぶっつけで色々さらけ出していくスタイルの映像のようだから、結構ドタバタで終わるのでは、ストーリーもあってないようなものなのかなと想像していた。
ところが驚いたことに想像とは全然違い、初めから脚本があったかのようにしっかりとしたストーリーが組み立てられていた。

 

感想は色々思いつつもなかなかまとまらない。
とりあえず感じたのは、結局この物語は平野監督が由美香さんに認められるために作った物語なのではないか。
「由美香に認められたくて」と言う想いは昔も今も変わらず、
彼女の死後、この映画を通して
「泣いた顔を是非見たかったですワ」
というリクエストにようやく答えることができた訳である。
彼は最後に泣きながら自転車で走り回るという葬式を行ったが、もちろんそんなことをしても彼女の幻影は追い払えるはずはない。
多分これからも彼女の視線はずっと平野監督について回るんだろうけど、少なくとも前よりはきちんと向き合うことができるようになるのかもしれない。
そう考えると、ちょっと前向きな終わり方で良かったなと思った。

 

林由美香という女性が幸せだったかどうかは本人しかわからないところだけど、僕はやはり幸せだったのではないかと想像する。
彼女は自分の想うままに、一瞬一瞬を全力で生きる人だったのだろう。
前半部分の映画のフィルムの中には彼女の、エネルギッシュで、チャーミングで、クールで、わがままで、ちょっぴり不安定で、少し憂いがあって、そういう魅力が沢山映し出されていた。
だからこそ多くの人から愛されていて、死んでなお多くの人の心に影を焼き付けていたのだろう。

 

人は突然死んでしまう。
僕は知り合いの自殺未遂に遭遇したことがあった。
その時は一命を取り留める事が出来たが、地元に帰り数年経ったある日、その人は思い出したかのようにまた自ら命を絶ち、今度は本当に死んでしまった。
僕とはそこまで縁が深い人ではなかったのだが、時々その人のことを思い出して、ふっと命を絶ってしまうという行為について想いを巡らせることがある。
幸せであっても、何かの拍子にふと死んでみてしまうことも有るのだろう。

 

正直見ながらボロボロ泣いてしまったのだけれども、悲しい涙でなくて、なんだろう、ちょっと「良かったね」という感じの涙だった。

 

頑張って生きていきましょうね。