ダンケルクがむちゃくちゃ不快だった話
ダンケルクがスゴイって言うことで見てきたんですよ。
いやほんとすごいねアレ。
すごく不快。
戦争映画としては大成功でしょう、アレだけ人の心をかき乱すのだから…。
で、何が不快かってことなんですが、一番は音ですね。
話ちょっと横にずれますが、リアリティのある映画と映画音楽ってちょっと相性良くないじゃないですか。
基本音楽って『観ている人』の気持を盛り上げたりするための効果があるので、リアルな状況で感情移入している最中に下手にBGMが入ってくると、ポーンといきなり観客席に戻されちゃう。
僕は軍人が銃で撃たれる系の映画が好きなのですが、音楽がリアルな戦闘中になるべく入ってこないで欲しい派です。
んで、ダンケルクはどうなのかって言うと、他のレビューでもたくさんかかれていますが、常に音楽が鳴ってる。
カチコチ言う金属的な打撃音をバックに(表に?)グリッサンド音とロングトーンで構成された、不快な不安感を煽る音楽がほぼ常に鳴ってるんです。
そしてこれが感情移入を邪魔しない素晴らしい挿入具合なんすよ。
ね。こんな感じの音楽が常に鳴ってる。
遠くで鳴ってるパラパラ鳴る銃声的な音や、サイレンや船の軋む音に聞こえる管楽器のグリッサンド、効果音と溶け込んでむしろ臨場感があるというすごく不思議な音楽。
最初の方にものすごくこの音楽の印象的なシーンがあって、金管楽器がブゥワァーーってグリッサンドした音を飛行機の爆音が引き継いでキーーーンッて飛んで行くんですね。
こういう音楽か!こういう音楽か!ふええええええええってなりましたよ。
また効果音もいやーーーな感じの金属音をいやーーーな感じで使っているんです。
船が攻撃される時は、重たい金属のガコンッて音にビクンビクンするし、船底に隠れている時に銃弾が飛んでくるシーンは、カンッて音にビクンビクンさせられるし。
ドッカーンとかいう月並みな音よりも、金属が凹んだりめくれあがったりという音の方がリアルに痛い音がして嫌ですね。
だめ押しで、物語が陸1週間、海1日、空1時間という時間操作系クリクリ編集なのですが、これのお陰で最初から最後まで緊張感張り詰めっぱなし。
頭から終わりまでタイタニック沈没しっぱなし、ノルマンディ上陸しっぱなしですよ。
いやさ、プライベートライアンとかブラックホークダウンも大分緊張感あったけどさ、あっちはこっちも大分攻撃してるじゃん。躍動感あるじゃん。
ダンケルクは攻撃するよりもほぼほぼ追い回されてるわけで、そんな追い詰められていく緊張感みたいなのがずーっと続くわけで。
ずっと緊張感張り詰めてる最中に、例のカチコチBGMが小さい音量から少しづつ盛り上がり始めてピークでガツン!となって、一息着く間もなくまた小さい音でカチコチ鳴り始めてって感じでもうたまんないっすね。
そんな感じで上映時間が短いながら、ものすごく長く感じる濃密で不快な映画体験でした。
また観たいっすね。
で、そのあとお家で未見のインターステラー観たが、その感想はまた後日書こう。