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おとなになっても読みたい絵本10+1

実家には絵本がたくさんある。
親はボランティアで読み聞かせとかをやっているので、僕達が子供の頃に読んでいた本を大体すべてのこしてある。
毎月3~4冊づつ毎月購入していたわけだから20年位購入していたら1000冊以上になる計算だ。
そんなわけで実家には昔読んでいた絵本がそのまま残されていて、帰省して暇な時はパラパラと読み返したりしている。
子供の頃読んでいたものをおとなになって読み返すとぜんぜん違う世界が開けてくるので、機会があれば絵本を読んでみるのも良いのではないだろうか。
そんなわけで今日は絵本、それもおとなになってから読み返しても抜群に面白かった絵本をチョイスしてみた。

 

 あいうえおの本

あいうえおの本

あいうえおの本

 

 安野光雅さんの絵本は文字のない本が多い。
これもその一つで、というか1ページに1つひらがなの文字がバーンと置いてあって、その文字に関連する絵が書かれているという本だ。
文字を囲む飾り枠にも様々なイラストが隠されている。
たとえば「あ」だったらメインの絵にアンパン、あんこ、アリが描かれていて、飾り枠にはあざみやあさがお、あひるに鮎にアリクイなど「あ」の付くもので囲まれている。

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「安野光雅の絵本展」 そごう美術館:猫アリーナ

子供の頃はメインの絵しかわからないけれど大きくなるに連れ周りの動物や植物などの名前もわかってくる。
分からない植物などはイラストと頭文字をヒントに調べたりした。
おとなになって開くと…やっぱり分からなかったり忘れてたりする物がいくつかあって、これはこれで楽しい。

 こぐまのくまくん

こぐまのくまくん (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 1)

こぐまのくまくん (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 1)

 

どうも僕はビビットな色の絵本でなくてちょっと優し目の色の絵本を好むように洗脳されていたらしく、このこぐまのくまくんは中々のお気に入りだった。
熊が主人公の絵本は、日本にも神沢利子さんのこぐまのウーフとかわかやまけんさんのしろくまちゃんとかもあるんだけど、個人的には今でもこぐまのくまくんがやっぱり一番だ。

 

 おしいれのぼうけん

おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)

おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)

 

ザッツ男の子ワンダーランド!
実はこの絵本がうちに来たのは僕がだいぶ大きくなってからだったんだけど、この絵本自体は保育園にあって、それこそ友達とむしゃぶりつくように読んでいた。
押入れに閉じ込めるなんて言うお仕置きをするような託児施設は戸塚ヨット保育園位だろうと思うんだけれど、この本を読んだ子どもたちは早く押入れに閉じ込められたいと熱望したものだ。
そしてまだ鉄道などという言葉も知らなかった幼い子供の耳に響いた甘美な響き「デゴイチ」!
今もこの絵本を開くたびに自宅の押入れの中を豆電球で冒険した子供の頃のワクワク感が蘇ってくる。

 

ピーターラビット 

ピーターラビットの絵本 全24巻 贈り物セット

ピーターラビットの絵本 全24巻 贈り物セット

 

僕がベストオブ・ザ・絵本を選べと言われたら、ピーターラビットを選ぶと思う。
猫が大好きな僕としては個人的にうさぎという動物には何の興味もないのだけど、やっぱりピーターラビットはかわいい。
絵葉書サイズのコンパクトさ、イラストの優しいタッチ、ちょっとドキドキするストーリー、なにもかも完璧だ。
子供の頃はパイといえばアップルパイしか無かったのだけど、ピーターのお父さんがマクレガーさんに「にくのパイ」にされちゃったという話は子供ながらに衝撃だった。
大きくなってミートパイなるものがあるのを知ったけれど、なんというか「にくのパイ」だぜ「にくのパイ」。ゾクゾクする響だ。

 フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし

 

 レオ・レオニはどの本も哲学的な話を柔らかく子供に伝える素晴らしい本が多いのだけれども、なかでもこのフレデリックはおとなになっても度々開いてみたくなる。
一見パッとしない人が、あるシュチュエーションで人の胸を打つようなパフォーマンスを見せることは現実世界でもよく起こる。
みんなの心をちょっぴりほんわかさせて最後に照れ笑いをするだけで、フレデリックが大活躍しすぎないのがいい。
ひょっとするとだれでも1つはこういう小さな魔法を持っているのかもしれない、ふとそんな風に思える絵本で僕の大好きな一冊だ。

 

 花さき山

花さき山 (ものがたり絵本20)

花さき山 (ものがたり絵本20)

 

斎藤隆介滝平二郎の黄金コンビの絵本はちょっぴり怖くてでも美しい。
昔話のおどろおどろしさと、切り絵の力強い美しさが素晴らしい。
子供の頃はこわごわ手にとった物を、 今は楽しく読めるというのも絵本の醍醐味ではないだろうか。
ちなみに花さき山の中で出てくる火事に覆いかぶさった大男や大水を防いだ大男の話も「八郎」「三コ」という絵本になっている。
「八郎」「三コ」は自宅の本棚にも保育園の本棚にもなくて、母親の務める幼稚園に置いてあり、母親の休日出勤の際に付いて行って読むのを楽しみにしていた。

 

 おおさむこさむ―わらべうた

おおさむこさむ―わらべうた (こどものとも傑作集 14)

おおさむこさむ―わらべうた (こどものとも傑作集 14)

 

瀬川康男さんの描く猿の絵はとっても個性的だ。
鳥獣人物戯画をポップにしたような独特な線画の動物たちはとてもユーモラスで、こんなトリップ感覚のある絵本を子供に読ませてもいいのだろうか、いいんです!
このわらべうたは独特の言葉遣いで、子供の頃はそれこそエキセントリックな絵との兼ね合いもありまるで呪文か何かのように思えてあまり興味が無かった。
ところが大人になって開くと、その絵の面白味とわらべうたのもつ味わい深い言葉回しでジワジワと脳みそに染みこんでくる。
父親はこういう本が好きで、子供の頃はなんでこんな訳のわからないものが好きなんだろうと思っていたが、いやはやおとなになると面白さが分かる本なんてのもあるんだなぁ。

 

 マイクマリガンとスチームショベル

マイク・マリガンとスチーム・ショベル

マイク・マリガンとスチーム・ショベル

 

同じバージニア・リー・バートンの絵本で不朽の名作「小さいおうち」というのもあってそっちも好きなんだけれど、実は僕こちらのほうが好き。
だって男の子だもん。
一日で穴を掘りきれるか?という単純明快なストーリー(なんか大人になって読むとこれぞアメリカ!というような話ですね)ですがワクワクします。
何と言ってもスチームショベルがかわいい。

 

寒がりのサンタ

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)

 

クリスマス近くになるとこれとスノーマンを延々と読んでいた記憶がある。
スノーマンは文字が無くてものすごくファンタジーな絵本なんだけど、これはサンタクロースがぼやきながらプレゼントを配っていて、中々リアルである。
「あー、サンタクロースって本当はこんなかんじなんだ」と子どもたちをがっかりさせつつ、リアルな存在として認識させちゃう感じがすごい。
大人になって読んでも中々おしゃれな漫画感があって面白い。 

アンジュール―ある犬の物語

アンジュール―ある犬の物語

アンジュール―ある犬の物語

 

 これはねー、絵本というか1編のモノクロ映画を見てるみたい。
全編鉛筆でのざっくりとしたスケッチ何だけど、表現力の豊かさにびっくりする。
線も荒々しくてそこまで描き込んでいないのに(富樫か!)、犬の表情や走っている時の疾走感がほんとうに素晴らしい。
これが発売されたのは僕がだいぶ大きくなってからなんだけど、この絵本は大人になればなるほどその味わい深さが解ってくるというか、家に一冊置いておきたい本。

 

おまけ:なおみ 

なおみ (日本傑作絵本シリーズ)

なおみ (日本傑作絵本シリーズ)

 

 子供の頃は大っ嫌いだった。
大嫌いというか怖い。
多くの人のトラウマだったであろう本。
僕はあまりの怖さに本棚からそっと抜いて押入れのダンボールの間に押し込んでおいた。


先日久々に実家に帰った時、ふと思い出して本を開いてみたら、写真のきれいな味わい深い本だった。
そして大っ嫌いでダンボールの奥に押し込んだおかげで手垢が全くついていない。
最後のページに書かれていた一節を読んで僕は驚愕した。
「やねうらべやで わたしは であった むかしのままの なつかしい なおみ」
なんということでしょう、「大嫌いなので無かった(死んだ)ことにして箱に押し込めていたなおみ」と「時を経て大人になった自分が再会する」というストーリーが見事に合致したのである。
「なおみ」のテーマは「時間」だという。
これはひょっとすると現実を巻き込んだ壮大なメタ構造の絵本なのかもしれない。

 

おわりに

というわけで実家に帰った時にペラペラめくっていた絵本をPICUPしてみた。
最近絵本などのエントリをチラチラ見て、昔あんな本読んだな―とか思ってたらちょっと書きたくなって一気に書いてしまった。
大体が古典というか有名な本だけれど最近はまた色々新しい作家さんとかも出てるんだろうな。
好きだった絵本を大人になってもう一回読んでみるの、とても楽しいのでみんなするべきです。