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ラ・ラ・ランドの感想

話題のララランドを観たので感想を書く。
以下、ネタバレをたくさん含むと思いますので未見の人は注意しよう。

 

 

主人公のワンショットから暗転しエンドロールが流れ始めた時、自分の過去を反芻し始めた自分に気がついた。
ラストのモンタージュのように、かつて出会った色々な人達との「もし」「ひょっとしたら」「あの時」がパラパラと頭のなかに湧いて出てきて、なるほどこれは面白い映画だなと思った。
大体の映画のエンドロールでは、その映画のストーリーを反芻したり、映画が終わったその先の事を夢想したりが殆どで、自身の事を振りかえることなどあまりないからだ。
おそらく同じような感覚を抱いた人も少なからず居るのではないか、だからこそこの映画はココまでヒットしたのではないかと言うのが僕の個人的な分析だ。

 

正直言うと、映画の途中までは期待はずれだった。
ストーリーはヒネリのないどストレート。
先の先まで見通せる展開は、悪い意味で全然安心して見ることができる火曜サスペンスのようで、何故これが大ヒットしたのか全然わからなかった。
評判のミュージカルシーンも最初のスペクタクルショーでワクワクしたのに、本筋に入ったらミュージカルはどんどんトーンダウンしていき、ただの恋愛ドラマになっていく。
いろいろオマージュはあるっぽいのは分かるのだけど、サウンド・オブ・ミュージックレ・ミゼラブルくらいしかミュージカルを観たことがない、予備知識ゼロの僕にはさっぱりであった。

 

だがしかし、だがしかし。
あの最後の展開、あのラストシーンで、ああなるほどと唸った。
これが見せたかったのか。
多くの大人たちが持つ「あの時、別の道を選んでいたら」というほろ苦い思い出をいきなり掻き起すために、安心して見ることができる「恋愛ドラマあるあるネタ」的な舗装道路をラストまでズルズルと敷いていたわけである。

 

ラストのセブの表情をどう見るかで、この映画の評価もまただいぶ変わってくるのかもしれない。
僕は個人的に、セブがずっとミアを想い続けていたというのには否定的だ。
離れて5年、ニュースを全く見ないわけじゃないし、おそらく結婚したことだって知ってるはずで、彼女を目にして彼が狼狽したのは不意に目の前に現れたからだろう。
最後の感傷的なピアノ、そしてなんとも言えないさみしげな表情は、ミア個人に対するものというよりも、空回りしながらも楽しく過ごしていたあの日々を追懐してのものではないだろうか。
セブもミアも自分たちの選択に後悔していないし、今の自分の生活にはキチンと満足しているはず。
それでもなお、昔の自分が追いかけて走っていた思い出の欠片が目の前に突然現れたら、あの時本当はあったのかもしれない別ルートを思い描かずにはいられない。
そして、それもほんのひと時のことで、セブもミアも次の瞬間には自分たちの日常へ戻っていく。

 

おそらく僕達も、この映画の雑多な恋愛ドラマや夢を追うストーリーで、過去の自分が追いかけていた思い出の欠片を強制的に想起させられているのだろう。
ストーリーや演出にツッコミどころが多い中、共感者続出なのはそういう仕組でつくられているからなのではないだろうか。
おそらく生活の基盤が変わった折にもう一度見るとまた感想が大きく変わる映画っぽいので、4〜5年後に見るのが楽しみである。
いや、術中にはまってしまっただけなのかもしれないが…。

 

その他気になったところ

ミア役のエマ・ストーンは可愛い。
アメリカの方ではこういう可愛い系の顔はそこまで人気ではないような気がするが、かわいい。
正直中盤まではエマの魅力だけで見ていた。


面接でミアが歌う「愚かな夢追い人に、乾杯を」はとても素敵。
冒頭の長回し以外のミュージカルシーンでは唯一グッとくるシーンだと思う(個人的感想)。

 

冒頭のミュージカルシーンは凄いけどカメラぶん回し過ぎで酔いそう。
ロングカットが多いようにみえるけど結構上手にカットして繋げてる感がある。

プラネタリウムのシーンは正直笑いそうになった。

 

以上