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pero_peroのこじんてきなにっきです。毎日書きたいです。

クライアントがマイクロソフトを名乗る詐欺電話に引っかかりそうになってた話

先日、珍しく仕事が忙しくヒーヒー言っているときに、携帯が鳴った。
見るとクライアントの会社の自称PCに詳しいという社員さんであった。
やべー、何か頼まれていたのを忘れてたっけ?と思いながら出ると、なにやら緊迫した雰囲気である。

「あのさー、今パソコンがウイルスにやられちゃったって話で、なんかソフトを買えって言われてるんだけどなんかおかしいのよね」
「えっと、それは何かアラートが出てるってことですか?」
「いや、なんか警報が鳴って」
「警報??」
「もう警報がうるさくって。」
警報がうるさい&ウイルスにやられたというと、ブラウザに出てくるあの「このパソコンはウイルスにやられました!」という広告しか思い浮かばない。
「どんな警報が出ているのか写メか何かで送ってもらえますか?」
「えーっと、どうやったら良いのかな…。LINE?僕の携帯LINE入っていたかな?」
この辺りが自称PC詳しいさんの自称たるところではある。


はたして、LINEで状況を送ってきてくれたのは所長さんであった。
しかも送られてきたのはパソコンの画面ではなく、パソコンの向こうで電話対応にあたふたしている事務の女性であった。
画面は全く見えない。

「そう、この電話の人がソフト買えソフト買えってうるさくて、なんかどんどん進行しちゃうって」
PC詳しいさんが電話をかけてきた。
「事務の人はだれと話してるんですかね?」
マイクロソフト

あぁ、もう完璧にこれですね。
数ヶ月前にハテブか何かで見た記事がピコーンと浮かんだ。

tosonline.jp

ウイルスという広告にびっくりして電話をかけてしまったということにほぼ間違いないだろう。
リアルタイムで詐欺にあっている現場に立ち会うのは初めてである。

「えっと、とりあえずそれは」
詐欺、と言いかけてちょっと考えた。
強い言葉なので余計現場を混乱させてしまうかもしれないし、引っかかった人が心を閉ざして聞きたいことが聞けなくなってしまうかもしれない。
「えーと、マイクロソフトはそういったサービスをしていないと思います・・・」
「あぁ〜そうだよね!僕もおかしいと思ったんだ。」


向こうの電話のやり取りはヒートアップしているらしく、こちらにも対応している女性の慌てている声が聞こえてくる。
おそらく詐欺師の外国人に怒られているのだろう・・・。
「え〜、とりあえずその電話は切っちゃって大丈夫ですよ」
「え?電話?切って良いのかな」
自称PCに詳しい人もちょっと混乱している。
それはそうだろう、僕だってこんな事初めてなので大興奮である。
現場にいたらパニックになる自信はある。

「切っちゃっていいです、それからPCもとりあえず電源落としちゃいましょう」
PC詳しいさんによると、何やらデスクトップ上のアイコンが消えているらしいので、恐らく遠隔をされている。
とりあえずシャットダウンである。

しばしのドタバタがあり、PC落としましたという報告があった。
さて、原因を調べないといけないが、こちらの事務所は東京なのでホイホイ見に行くわけにも行かない。
ネットに繋がず、LINEか何かで中継してもらいながら調べるのはかなり難しそうだ。
調べるにはこっちも遠隔で見て見る必要がある。
恐らく何か遠隔の手順を踏ませて操作したようなので、変なプログラムなどは仕込まれていないと思うのだけど、ネットを再度繋ぐのは少し心配では有る。
しかし特にその他の方法も思いつかないし、パソコン内に重要なデータは殆どないとのことなのでAnydeskでパソコンを繋いでみた。

 

見た所デスクトップがガランとしていたが、まさかと思ってゴミ箱を見てみると中にデスクトップの中身が全部入っていた。
そして当日落としたばかりのAnyDeskの残骸もある。
おそらく事務の人にAnyDeskを落とさせて遠隔操作したのであろうということがほぼ確実になった。
しかしAnyDeskの設定でパスワード認証で入れるようにしてたら(僕が詐欺師だったらその設定絶対する)再度入ってくる可能性が…?
とおもったら急に遠隔が効かなくなった。
「あっ、やばい向こうからアクセスしてますwww」
遠隔主導権の奪い合いである。
しかし詐欺師も失敗を悟ったのか、最後の嫌がらせとばかりに素早くゴミ箱の中身を削除してしまった。
「ちょwwwすみませんすぐ電源切ってください!!www」
PC詳しいさんがすぐ電源を切れるようにスタンバっていたらしく、ものの5秒で電源が落ちた。

「いやー、すみません、向こうもAnyDeskで遠隔でしたね…。」
「くそー、嫌がらせでゴミ箱消去して行きやがった…www」
「まあAnyDeskということは特に変なプログラムを入れているわけではないと思うので、気持ちが悪ければPC一回初期化すれば大丈夫だと思いますよ」
「うーん、気持ちが悪いので新しいの買ってもらおう!」

 

そんなこんなで、当日は事務の人から詳しい状況を聞きそびれてしまったのだけれども、後日新しいパソコンを購入後メール設定をしたときに詳しく話を聞くことが出来た。
以下、何が起こったのかを整理したメモである。

 

・原因は予想通りブラウザの広告。
なにかのフリーの文章例を落とそうとしたときに突然アラートが鳴ったのでびっくりして広告に表示されている番号に電話をかけてしまったとのこと。
・警報音がとにかく気持ちを逆撫でするので正常な判断が出来なかった。
・電話をかけても最初は不通で、一旦切ると向こうから折返しが来た。
・電話相手はやはり外国の人。
マイクロソフトからかけているという。
・AnyDeskを落とさせて遠隔してくる。
・ウイルスにやられているのでウイルスソフトを買えと言ってくる。
・めちゃくちゃまくし立ててきて、最後はめっちゃ怒られるらしい…。
・「あなたが早く決めないからどんどん進むのよ!」と言われながらデスクトップのものをゴミ箱に入れられてしまうらしい
・変だな、おかしいなと思いつつも、凄いまくしたてられるので正常に判断できなかったとのこと。
・正常じゃない判断力のときにいかにもっぽい事を言ってくるので信じてしまう。
・近くにいたPC詳しいさんは「マイクロソフトからかかってきてるはずなのに、なぜマイクロソフトディフェンダーを勧めないんだろうか」と疑問に感じて(以外に冷静だ)僕に電話をかけたとのこと。ちなみに僕はこの会社のPC関連のサポートをしているわけではないので、なぜ僕に掛けたのだ的な所は有るのだけど、この機転が無かったらうっかりお金が支払われていたかもしれないので結果から言うとグッジョブであった(僕も面白かったし)。

 

幸い被害にあったPCが購入して1ヶ月程度だったので、デスクトップにあったのがほぼショートカットのみということと、削除されたmailがすべてサーバに残っていたので実害はあまりなかったのが良かった。
あと、もともとAnyDeskを入れていて(怖いのでその都度承認してもらっている)、それがクラックされていたのかもしれないと一瞬ヒヤッとしたのだけど、話を聞くとちゃんと落とさせられて数字やらなんやらを先方に伝えていたとのことで逆に安心した。

 

ちなみに事務の方は「ほんと詐欺かと思うと怖くて、保険の人から電話がかかってきたけど取れなかったのよ、あはははは」と笑っていたけれども、めちゃくちゃベラベラベラベラずっと喋っていたので結構トラウマだったんだろうと思う。
やっぱりちょっと引っかかってしまったのを気にされているようだったので「いやーそうなんですよ、誰でも引っかかっちゃうんですよ!僕も多分引っかかりますよ!あっはっは」とめっちゃフォローしておいた。僕は優しい。

 

そんなわけで、ホント広告配信する会社はあの広告配信するの辞めて欲しいっす。
あと引っかかるときは引っかかってしまうので「自分だけは大丈夫」と思わないで用心しましょう。
そして身近に引っかかってしまった人がいたらフォローしてあげましょうね。